中屋彦十郎薬局のブログ薬日記

漢方・生薬の専門店は中屋彦十郎薬局

2014年06月

生薬 海桐皮(かいとうひ)

海桐皮(かいとうひ)

インド原産で沖縄、中国南部、東南アジア、太平洋諸島などで植栽されているマメ科の落葉高木、
デイゴの樹皮を薬用とする。
デイゴは幹や枝に太いトゲがある。
琴や下駄、漆器にも利用される。
春に樹皮を剥ぎ、トゲを除き乾燥したものを用いる。
樹皮にはアルカロイドのエリスラリン、アミノ酸、有機酸が含まれる。
水浸液には抗真菌・抗菌作用のあることが知られている。
関節の腫痛、下痢、歯痛、疥癬などに利用された。
民間的には関節リュウマチ、腰や膝などの痛み、下肢の炎症にも。
慢性化した脚や腰の痛みには独活、牛膝と混ぜた「海桐皮酒」が使われた。
粉末を脚に貼ったり、うがい薬などにも応用された。
海桐皮(かいとうひ)

生薬 海桐皮

インド原産で沖縄、中国南部、東南アジア、
太平洋諸島などで植栽されているマメ科の落葉高木、
デイゴの樹皮を薬用とする。
デイゴは幹や枝に太いトゲがある。
琴や下駄、漆器にも利用される。
春に樹皮を剥ぎ、トゲを除き乾燥したものを用いる。
樹皮にはアルカロイドのエリスラリン、アミノ酸、有機酸が含まれる。
水浸液には抗真菌・抗菌作用のあることが知られている。
関節の腫痛、下痢、歯痛、疥癬などに利用された。
民間的には関節リュウマチ、腰や膝などの痛み、下肢の炎症にも。
慢性化した脚や腰の痛みには独活、牛膝と混ぜた「海桐皮酒」が使われた。
粉末を脚に貼ったり、うがい薬などにも応用された。
海桐皮

生薬 海藻

ヨウ素は、甲状腺ホルモンの構成成分として生体に必須の微量元素であり、
体内には約25mgが存在するといわれる。
また、海草に多く含まれ、これを煎じたり、味噌汁にして飲めば
1日の摂取量は成人で約1.5mgとされている。
一方、甲状腺は、ヨウ素を取り込み蓄積するという機能がある。
原子力施設の事故で環境中に放出された放射性ヨウ素が
体内に吸収されると、甲状腺で即座に甲状腺ホルモンに合成され、
甲状腺組織の中で放射能を放出し続ける。
その結果、放射能による甲状腺障害が起こり、
後天性の障害として甲状腺腫や甲状腺機能低下症を引き起こすとされている。
これらの障害を防ぐためには、被曝する前に放射能をもたないヨウ素を服用し、
甲状腺にヨウ素で蓄積しておくと、
後で放射性ヨウ素が取り込まれたとしても、
あらかじめ服用しておくことにより、既に満杯のため甲状腺には取り込まれず
予防的効果が期待できるといわれている。
その際、ヨウ素含有物の効果は投与する時期に大きく依存するとされており、
被曝前に摂取した時に効果が最大で、
時間が経過するとともに効果は薄くなるらしい。
また、ヨウ素の吸収は、食後で30分後、空腹時で5分後から始まるとされ、
一旦甲状腺ホルモンに取り込まれれると、
体内に長期間滞留するため、放射性ヨウ素に被爆する前に、
人体に害のないヨウ素含有の海藻を服用することは
安心できる方法でやっても損はないといえそう。
海藻

松の実 生薬

松の実は海松子ともいわれる。
この場合の植物はチョウセンゴヨウマツである。
原植物はチョウセンマツ又はチョウセンゴヨウといい、
原産地は朝鮮で、本邦では東北地方に少し産する五葉松の一種である。
葉が五葉で松かさは普通のまつより大きく、
種子は卵形をして一センチから二センチ位の大粒のものもある。
油を多く含んでいて味はかすかに甘い。
気力を盛んにし、精力を強化し、白髪を黒くし、回春と不老の効あり。
古典には「久しく服すれば身を軽くし年を延べ老いず」とある。
本邦で市販されている「松の実」のほとんどはチョウセンゴヨウの種子、
すなわち海松子である。松の実は古来仙人の霊薬といわれてきた。
この実には脂肪、蛋白質が豊富で脂肪はパルミチン、
ミリスチン酸などの脂肪酸、蛋白質にはアルギニン、ヒスチジン、
チロジングルタミン酸などのアミノ酸が含まれる。
松の実

漢方 生薬 芥子

アブラナ科の越年草、カラシナの種子を芥子という。
原産地は中央アジアあたりか、種子の色からカラシナ、
シロカラシ、クロガラシに区別される。
カラシナは「和からし」、シロガラシやクロガラシを「洋からし」に用いる。
カラシナはアブラナとクロガラシの自然交配といわれ、
種子の色は黄褐色のためブラウン・マスタードとも呼ばれる。
生薬としてはシロカラシの種子も白芥子(びゃくがいし)といっている。
一般的には日本では芥子、中国では白芥子が使われる。
商品は白芥子である。
芥子および黒芥子の辛味成分はシニグリンであるが、
白芥子の成分はシナルビンである。
シニグリンそのものには辛味も刺激性もなく、
するつぶして粉にして水で練り合わせると、酵素のミロシンの作用により
加水分解されて強い辛味と刺激性を持つアリルイソチオシアネートを生じる。
揮発性のため刺激があり、熱感も生じる。
一般に芥子の粉は脱脂して用いる。
漢方では辛味性健胃薬や去痰薬として用いる、貼付薬として用いられる。
リュウマチや神経痛には局所に塗り、肺炎や気管支炎には粉末を
水で練って糊状にしたものを貼付したりして用いる。3時間ごとに貼付位置を変えないと
刺激で赤くはれ上がったりするから注意が肝要である。
芥子

生薬 懐牛膝(かいごしつ)

懐牛膝は神農本草経の上品に収載されている。
「基源」
ヒユ科のAchyranthes bidentata B.の根を乾燥したもの。
「産地」
中国河南省などで栽培されている。
「作用」
血圧降下作用、利尿作用がある。
「薬味、薬性」
苦、酸、平。
「効果」
筋骨を健やかにし、補肝、益腎の効果がある。
「用途」
漢方では婦人の月経不調、「おけつ」の要薬とされている。
「処方例」
大防風湯、疎経活血湯など。
懐牛膝(かいごしつ)

生薬 海蛤殻(かいごうかく)

二枚貝、ムルスダレガイ科のオキシシミなどの貝殻を用いる。
同科のハマグリの貝殻は本来は文蛤(ぶんごう)というが。
海蛤殻としても利用されている。
オミシジミは全体の形が円形に近く、殻長と高さが5cmくらいで、
殻の色は黄褐色か紅褐色である。
中国沿海の泥砂質の海底に生息し江蘇、福建省などに産する。
主成分は炭酸カルシウムでコンキオリンも含有される。
漢方では去痰・利尿・軟堅の効能があり、咳、浮腫、膀胱炎、
甲状腺腫、痔などに用いる。
甲状腺腫には海藻・昆布等と配合する、気管支炎の咳、痰、
胸痛にはカロニン・オウゴン・セイタイと配合する。
海蛤殻(かいごうかく)

漢方薬、生薬 海狗腎(かいくじん、カイクジン)

漢方薬、生薬を代表する精力剤である。
昔から多くの男性が試し多くの実績があるオットセイの睾丸である。
海狗腎はアザラシ科のゴマフアザラシ、
その他のアザラシ科動物およびアシカ科のオットセイの
陰茎および睾丸を乾燥したもの。
これらの動物は一夫多妻制で、一頭のオスが数十頭のメスを占有し
ハーレムを作ることで知られている。薬材は30cm前後、
直径1〜2cmの棒状をしたペニスに2個の睾丸がついている。
中国(渤海および黄海の沿岸)。千島列島一帯。
蛋白質、脂肪、男性ホルモンのアンドロステロン。
強精作用(アンドロステロン)。
強壮、補血、強精薬としてインポテンツ、腰膝軟弱症、冷感症、
結核などによるるいそうに応用する。
「処方例」
タケリ丸、オットセイ丸。津軽藩には海狗腎を主成分にした一粒金丹という秘薬があった。
海狗腎

生薬 海金砂(かいきんしゃ)

関東以西、朝鮮半島、中国、インドシナに分布するフサシダ科
(カニクサ科)のつる性シダ植物、カニクサの胞子を用いる。
土手、石垣など他物に寄りかかるようにして繁殖する。
葉は薄くて羽状に裂け、葉の縁には胞子嚢群ができ、
黄色で四面体の胞子多数を生じる。
夏から秋にかけて胞子嚢のついた葉を集め、
紙袋のなかで揉み、胞子のみを集める。
カニクサの名は子供が蟹を釣るのに用いたのに由来する。
生薬名は海金沙草(かいきんしゃそう)、
金沙藤(きんしゃとう)などと呼ばれる。
胞子には脂肪油、リゴジン、葉にはフラボノイドが含まれる。
民間伝承では清熱解毒、利尿、通淋、消石の効があるといわれ、
尿路感染、尿路結石、浮腫、上気道炎、耳下腺などに用いられてきた。
海金砂(かいきんしゃ)

エンジュ 生薬

エンジュといえばルチン、ルチンといえば血圧効果作用があることで有名である。
神農本草経の上品に槐実として収載されている。
槐花(かいか)の名は後代の本草書に記載が見える。
日本でも庭木、街路樹などで植栽されているマメ科の落葉高木エンジュの花蕾または花。
若葉はゆでると食べられる。
中国(河北、山東、河南、江蘇、遼寧省など)。
フラボノイドのルチン、トリペノイドのベツリン、ベツリン酸、ソフォラジオールの配糖体を含有する。
血管平滑筋収縮作用(ルチン)。
血管強化薬として高血圧症の予防に用いる。
また止血薬として、紫斑病、痔疾、放射線による出血、鼻血などに応用する。
ルチン、クエルセチンには抗炎症、抗潰瘍、鎮痙作用が注目されている。
炎症性の出血に応用される。
「処方例」
清肺湯(万病回春)、槐花散。
「用法・用量」
煎剤、散剤、エキス剤。1日2〜5グラム。
同類生薬」
中国では、花を槐花といい、花蕾を槐米としている。
エンジュの成熟した果実は槐角といっている。
エンジュ
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