中屋彦十郎薬局のブログ薬日記

漢方・生薬の専門店は中屋彦十郎薬局

2010年10月

生薬・遠志(おんじ)の薬効

ヒメハギ科のイトヒメハギの根もしくは根皮。
根の木質部を抽きさった根皮を「遠志肉」
または「遠志筒」と称し質がいいとされる。
中国の黄土地帯などにみられる多年生の小草
で、根は比較的大きく地下深くのびる、通常
叢生し、つぎつぎに小花を開く。
初心を呼び起こし志を遠くに持つといわれる
薬草で、激しい労働によるふさぎこみ、
意気消沈したときにこの薬を配合した
処方が用いられる。我が国ではセネガの
代用として去痰薬として用いられる。
セネガは北米セネガース族の用いていた
民間薬で、花粉症にかかりやすい欧米人
これを発見し、日本に紹介した。
セネガシロップと称し、咳止めとする。
花粉症にかかったり、気管支の弱い人に効果
があるので需要が急増している。
漢方では安神・去痰・消腫の効能があり、
動悸、健忘、不眠、咳嗽、多痰、乳腺炎、
腫れ物などに用いる。とくに精神を安定
させたり、健忘症を改善する効能で
知られている。
遠志

生薬・弟切草(おとぎりそう)の薬効

オトギリソウは弟切草と書き、多年草で一度
種をまくと何年でも収穫できる。山野に自生
する薬草で、背丈一.二メートルにもなり夏
になると数個の五弁の花を咲かせる。
「昔、晴頼と名乗る鷹匠がいた。鷹が傷つく
とある薬草を用いて治療していたが、人が
尋ねても秘密にしていた。ところが、弟が
その秘密を他人に漏らしてしまった。彼は
おおいに怒り弟を切り殺してしまった。
その血しぶきが花や葉に点々と残ったという。」
蝦蟇の油の口上にも、「(切られた弟曰く)
痛い痛いと悲痛な叫び、お立ちあい、止血の薬
はござらぬか、あるよあるある、この薬、蝦蟇
の油か、弟切草・・・」
乾燥した葉は漢方では「小連翹」といい、
切り傷の止血薬、打撲の収斂薬として用いてきた。
弟切草

生薬・黄精(おうせい)の薬効

黄精はナルコユリの根茎で、滋養、強壮薬として
、病後の虚弱、肺結核の咳嗽、糖尿病の口渇、
血糖過多などに応用する。
漢方では補気、潤肺、強壮の効能があり、
胃腸虚弱や慢性の肺疾患、糖尿病、病後など
による食欲不振、咳嗽、栄養障害などに用いる。
日本の民間では江戸時代にも強壮・強精
ブームが起こり、砂糖漬けにした
黄精が売られていた。今でも、黄精のエキスを
入れた黄精アメが売られている。
黄精に砂糖を加え焼酎ににつけたものを黄精酒
といい、精力減退や病後回復の滋養強壮薬として
知られている。
小林一茶も黄精酒を愛用したとか。
黄精

生薬・黄連(おうれん)の薬効

日本産のキンポウゲ科のオウレン
(セリバオウレンおよびキクバオウレンなど)
の根を除いた根茎である。日本国内には幅広く
野生する、多年草である。草の丈は10〜20cm、
地下茎が横に伸び多数の髭根をだす。
葉は長い柄で根茎から叢清生し、さらに
小花をつける。早春に1cmほどの白い花を
花茎の先端に数個開く。薬用にする根茎の
断面は鮮やかな黄色である。なめると苦い。
黄色い根が連なるのでこの名がある。
栽培されているのは小葉の形がセリの
葉に似たセリバオウレンと、キクの形に
似たキクバオウレンの二種類である。
自生のミツバオウレンやコセリバオウレン
は根茎が小さいので薬用には敵しない。
丹波、因州、越前などが主産地である。
畑にまいたものは4〜5年後に根茎を
掘り下げ、水洗いしないまま日干しにする。
生乾きのころに焚き火の中に根茎をいれて
ひげ根を焼き、手にわらじをはめてむしろ
に広げた根茎をこすり、焼け焦げのひげ根
を除いてから天日で干す。
これで黄連のできあがりである。
黄連

生薬・桜皮(おうひ)の薬効

桜皮はバラ科のヤマザクラそのほか
サクラ属の樹皮。
日本(徳島、宮崎、鹿児島など)に産する。
フラボノイドのサクラネチン、ゲンカニン
、サクラニン、グルコゲンカニンなどを
含有する。
鎮咳、去痰作用。
解毒薬として、食中毒、急性胃腸カタルに
利用する。江戸時代にはさまざまな用途に
利用された。魚の中毒、蕁麻疹、腫れ物
などの皮膚病の治療、また解熱、咳止め、
解毒・排膿に利用されている。
処方例は 十味敗毒湯。
桜皮

生薬・ウワウルシの薬効

ツツジ科のウワウルシ (クマコケモモ)の葉。
ウワウルシの名前は熊のブドウという意味
である。
産地 ヨーロッパの山岳地帯
(スイス、スペイン、ノルウエー)
アメリカ北部、カナダなど。
成分 フェノール配糖体 (アルブチン、
メチルアルブチン、ガロイルアルブチン、
ガロイグルコース) を含む。
アルブチンは尿中で分解されて
ハイドロキノンを生じる。
ハイドロキノンには殺菌作用のほか、腎細胞
を刺激するため利尿作用もある。
クエルセチンにも利尿作用が認められるほか、
葉の煎液には尿路消毒薬、利尿薬として膀胱炎
、尿道炎、腎盂炎、腎炎などに用いる。
ウワウルシ

生薬・ウラジロカシの薬効

ウラジロカシはブナ科ウラジロカシの葉
を利用する。
産地は日本(徳島、和歌山など)。
成分としてはフラボン、タンニン性物質、
トリテルペンを含みます。
作用は膀胱内結石の形成抑制および結石
溶解作用 (水エキス)が報告されている。
応用 民間では結石形成の抑制および結石
溶解作用を期待して、胆石症や腎石症に
応用される。
ウラジロカシ

生薬・烏梅(うばい)の効果

新農本草経の中品に収載されている。
烏梅の製造法については李時珍の本草
綱目には「青梅をとって籠にもり、
竈突の上で黒く薫じる。
もし藁灰のあくに浸してから蒸すならば
、肥沢にして虫がつかない。」と記して
あり、現在もこの方法を踏襲していると
いう。
バラ科の梅の未熟果実を薫蒸して乾燥
させたものである。ウメは中国原産の樹木
である。万葉集に紹介されているから、
かなり古い時代に渡来したものであろう。
和名のウメは「烏梅」の音読みウメイ
からきている。
ウメの花蕾は白梅花といい、種子は
梅核仁という。ウメの核には青酸配糖体
のアミグダリンが含まれている。従って、
青ウメを食べると中毒を起こして
腹が痛むことがある。ただしこの青酸は
熟するにつれて蒸散する。
烏梅

生薬・ウコンの効果

ウコンは 利胆、芳香性健胃薬です。肝臓炎、
胆石症、カタル性黄疸に用いる。止血、通経薬
として胸腹部の痛み、腹痛などに応用する。
沢庵付けの染料やカレー粉の原料として知ら
れるのが、この草の根茎です。これを乾燥した
ものを中国では薑黄 (きょうおう) 徒呼ぶ、
日本で薑黄と称して栽培するものを、中国で
は鬱金 (うこん) と呼んでいます。
この点で日本と中国では、その呼び名が逆
になっています。江戸時代の本草学者が間違
えて伝えたものの一つです。いずれも黄色の
強いものが良品とされます。根茎を大根おろし
でおろし、混ぜて黄色の大根おろしとする、
胃もたれなどに効く 。
ウコン

いちじくの葉の効用

イシジクは小アジア原産で、世界各地で
栽培される。
日本には17世紀前半の寛永年間に移入
され各地で栽培されている。
葉は有柄、大型で20〜30cmの卵形、
掌状は3裂する。
花のうの乾燥したものは無花果といい薬用
にする。
葉は傷つけるとゴム質の乳液を出す。
民間ではイボ取りに利用する。
葉を煎じたもので座浴すると痔に効くと
いわれる。
いちじくの葉

連銭草は糖尿に効く

シソ科のカキドオシの花期の全草である。
カキドウシの名前は垣根を超えて生える
ことによる。
カキドオシはつるをのばして垣根を通り
ぬけるくらいだからどこでも採取できる。
また民間で小児の疳を治すのに用いるので、
一名カントリソウ (疳取草) ともいう。
中国では一般に金銭草とも称されている。
産地 日本(四国、長野) 、中国、
(華中、華南地区) 。
煎じて飲めば糖尿に効く。

ウラジロカシのお奨め

ブナ科ウラジロカシの葉を薬用
にする。
日本(徳島、和歌山など)が産地。
成分としてはフラボン、タンニン
性物質、トリテルペンを含む。
膀胱内結石の形成抑制および
結石溶解作用 (水エキス)が報告
されている。
民間では結石形成の抑制および
結石溶解作用を期待して、胆石症
や腎石症に応用される。
単味で煎じる。
煎剤、1日5〜20グラム。
ウラジロカシ

黄精(おうせい)は強精薬

滋養、強壮薬として、病後の虚弱、
肺結核の咳嗽、糖尿病の口渇、血糖過多など
に応用する。漢方では補気、潤肺、強壮の
効能があり、胃腸虚弱や慢性の肺疾患、
糖尿病、病後などによる食欲不振、咳嗽、
栄養障害などに用いる。民間では江戸時代
にも強壮・強精ブームが起こり、砂糖漬け
にした黄精が売られていた。今でも、黄精
のエキス入れた、黄精アメが売られている。
黄精に砂糖を加え焼酎ににつけたものを
黄精酒といい、精力減退や病後回復の
滋養強壮薬として知られている。小林一茶
も黄精酒を愛用したとか。
黄精

臨時休業のお知らせ

まことに勝手ですが、10月7日(木)
から9日(土)までは臨時休業致します。
ご注文メールは受け付けています。
2,3日遅れるとは思いますが、
順次発送していきますのでよろしく
お願い申し上げます。
10日(日)は発送ができる商品も
あります。
お急ぎでご入用の商品があるかと
思いますが、ご協力のほどお願い
申し上げます。

淫羊かくの薬効

淫羊かくはメギ科ホザキノイカリソウ
(湖北、四川など) の茎ときには全草を乾燥
したもの。
雄の羊がこれを食べると一日百回交合する
という言い伝えもある。
中国 (華北、華中、東北、雲南、広西) 、
朝鮮半島、日本が産地。
葉、茎には配糖体エピメジンには性ホルモン
の分泌を促し、神経を刺激する作用がある。
淫羊藿の煎じ液には催淫作用のほか、
抗ウイルス・抗菌作用、鎮咳、去痰作用のほか
生殖機能の低下、老化に伴う衰弱、関節の痛み
などに用いられてきた。
内服した場合には精液分泌促進作用 (催淫作用)
。煎剤はポリオウイルスに対する抑制作用。
茎、葉の抽出エキスには鎮咳・去痰作用、
降圧作用が報告されている
淫羊かく

アロエ

ユリ科のアロエの葉から得た液汁を乾燥したもの。日本薬局方に収載されているアロエは、ケープアロエなどの肉厚の葉の液汁を濃縮、
乾燥したもので漢方ではロカイ(芦薈)といっている。家庭で一般的に栽培されているのはキダチアロエである。キダチアロエは南アフリカ
原産のユリ科の多肉質の多年草で、江戸時代に渡来した。医者いらずとしてよく知られている。

黒焼きも人気がある

伯州散は反鼻、津蟹、鹿角を黒焼きにし
混和した粉末である。漢方ではかっては
伯州散(ハクシュウサン)を「外科倒し」
といい、反鼻(まむし)、津蟹(さわがに)、
鹿角(鹿の角)を黒焼にして粉末にした
ものは腫れ物・おできに効くとされ
江戸時代には繁用に処方された。
また、島根県には「伯耆の黒グスリ」
とも呼ばれる家伝薬があり、悪性の
はれもの・化膿性の病気・慢性の
おできに効くという伝統薬があった。
柏州散
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